有機電界効果型トランジスタ
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Organic Field-Effect Transistor(OFCT)
OLEDなどのデバイスをアクティブ駆動する際、それぞれのデバイスにトランジスタが必要となりますが、そのトランジスタも有機材料で構成することが検討されています。フレキシブルなCMOSトランジスタ回路を実現できれば、多くの夢のあるアプリケーションが可能となります。さらに、トランジスタの活性層に有機発光材料を用いた発光性有機トランジスタの研究も行っています。
フレキシブル駆動回路
有機デバイスの特長として、低温プロセスで作製が可能であること、フレキシブル性が高いことが挙げられます。OLEDのみならずその駆動回路であるトランジスタも有機材料で構成することができれば、熱に弱いプラスチック基板上にも作製することができ、フレキシブルなディスプレイの実現が見えてきます。多くの研究機関でOFETの実用化に向け活発な研究が進められており、アモルファスシリコンに匹敵するキャリア移動度特性が得られています。
OFETの基本構造
FETはソース-ドレイン(S-D)電極、ゲート(G)電極、活性層、ゲート絶縁膜からなるスイッチング素子で、OFETにおいては活性層として有機半導体材料を用いています。ゲート電圧(VG)により、有機層/ゲート絶縁膜界面に蓄積するキャリア密度を制御し、S-D電極間の電流をスイッチングすることができます。正孔を輸送するp型駆動と電子を輸送するn型駆動があり、それぞれに適した材料開発・デバイス設計が進められています。
両極性(Ambipolar)有機トランジスタ
両極性トランジスタは、一つのトランジスタで正孔輸送、電子輸送の機能を両立させたデバイスであり、有機半導体デバイスで論理回路を構成するためにはそのようなp型特性とn型特性とを共に有するAmbipolar OFETの作製が必要となります。論理回路への応用以外にも、発光機能と合わせたデバイスへの応用が考えられています。現在ドーピングなどのキャリア発生機構を用いて、輸送機構などの詳細を検討しています。
発光性有機トランジスタ
OLEDの発光機能とOFETのスイッチング機能を両方担ったデバイスとして、発光性有機トランジスタの研究も行っています。トランジスタの活性層に有機発光材料を用いており、より高い効率で発光させるために両極性の特性を付与することが期待されています。また、光取り出し効率を高めるためのデバイス設計について理論計算も行っており、後述の有機レーザダイオードへの発展へとつながるものとして研究を進めています。