〒819-0395
福岡市西区元岡744
最先端有機光エレクトロニクス
研究センター
共進化社会システム
イノベーション施設224

Center for Organic Photonics and Electronics Research (OPERA)
Co-Evolutional Social Systems Building #224
744 Motooka, Nishi, Fukuoka
819-0395, Japan

TEL: 092-802-6920
FAX: 092-802-6921

adachi[at]cstf.kyushu-u.ac.jp

 
 

有機レーザダイオード

1.有機発光ダイオード | 2.有機電界効果トランジスタ | 3.有機レーザーダイオード | 4.有機太陽電池

Organic Laser Diode (OLD)

現在、有機ELに続く次世代発光デバイスとして、有機半導体レーザの実現を目指して研究を行っています。有機材料の多くは、特定の電子状態が4準位系を形成しており、容易に反転分布をとることができるため、低い励起密度での誘導放出が可能となります。一方、無機半導体に比べてキャリア輸送特性・熱耐性で劣っているため、さらなる低閾値化、伝播損失の抑制等が求められています。

OFET型レーザデバイス

電流注入型有機レーザ実現させるためのデバイス構造としては、OLED型導波路構造、OFET型構造などを挙げることができます。OFET構造では、電子と正孔の注入バランスを合わせ有機層のチャネル中央で再結合させることが可能となれば、その近傍に金属電極がないため光の伝播損失を低減させることができます。高いレーザ活性とキャリア輸送能とを両立することが必要であり、有機半導体と無機半導体とを組み合わせたハイブリッド型など、様々な基本構造について検討を進めています。

単結晶レーザ

単結晶中では分子が同じ方向に整然と並んでおり遷移双極子モーメントの向きが揃っているため、光学利得を得やすく、閾値の低下が期待されます。また、分子間の緻密なパッキングにより欠陥なくπ電子軌道の重なりを大きくすることができれば、蒸着膜・塗布膜に比べて高いキャリア移動度を得ることができます。また熱耐性にも優れているため、高電流密度下での熱失活・劣化を低減させることができます。

DFB共振器

フィードバックの無い自発的な誘導放出(Amplified Spontaneous Emission : ASE)よりさらに低い閾値で光増幅を起こしてレーザ発振させるには、活性層への光共振器の導入が不可欠となります。分布帰還型(Distributed Feedback : DFB)共振器は、光学利得を得やすく、単一縦モードでのレーザ発振が可能であるという点で優れています。活性層内に周期的な屈折率差を設けることでフィードバックを起こし高い利得を得ることができます。屈折率差の周期を波長程度にすることによって、単一波長でのレーザー発振も可能となります。

カットオフ波長近傍における特異現象

有機光エレクトロニクスデバイスにおける新たな現象として、OLED構造の端面からの特異的な発光が見出されています。その発光ピーク波長は、OLEDからなる光導波路のカットオフ波長に相当します。スペクトル形状は通常のOLEDからの発光スペクトルに比べ著しくシャープであり、発光強度も励起密度に対し非線形に増加します。これまで見出されていなかった特異的な現象であり、現在、誘導放出との関連も含めさらなる追跡を行っています。