1/24の日本経済新聞（夕刊）に本研究室（BEANSプロジェクト）の有機太陽電池の研究成果に関する報道がなされましたが、事実と異なる記述があり、関係各位に大変ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。今後、マスコミからの取材に対しては、研究室として慎重に対応して参りますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。なお、有機太陽電池に関する最新の研究成果につきましては、昨年度末に2つの論文発表を致しております。

①　Appl.Phys.Exp.誌において、C70:ClAlPc系において、ミクロナノ構造制御により世界最高水準のエネルギー変換効率4.1％を報告しております。

Nanocrystal growth and improved performance of small molecule bulk heterojunction solar cells composed of a blend of chloroaluminum phthalocyanine and C70
Appl. Phys. Exp. 3, 121602 (2010)
Kentaro Harada, Tomohiko Edura, and Chihaya Adachi

②　Appl.Mat.Int.誌：エネルギー変換効率は低効率に留まりますが、BEANSの主要課題である有機ナノピラー構造をオリジナルな成膜手法によって達成し、直径30nm程度の有機ナノピラーを形成することで、新しい有機太陽電池の発電層構成を提案しております。

Formation of Organic Crystalline Nanopillar Arrays and Their Application to Organic Photovoltaic Cells
Appl. Mat. Int. 3, 80, (2011)
Masaya Hirade, Hajime Nakanotani, Masayuki Yahiro and Chihaya Adachi

これらの学術的研究成果が、新しい有機半導体デバイスの工業化展開へと繋がればと切に願っております。

LifeBEANS九州センター長　安達千波矢