Research

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6. ポルフィリン類縁体


6-1. 二重混乱ポルフィリン

混乱ピロール部位が1個だけ環構造に組み込まれたNCPのみならず、複数の混乱ピロール環を 有するポルフィリン誘導体も合成されている。二重N-混乱ポルフィリン (Doubly N-Confused Poprhyrin, N2CP)は、混乱ジピロメタンを合成中間体として得られ、 混乱ピロール部位の相対位置により、cis型・trans型の二種類がそれぞれ合成されている (JACS 2000, JACS 2003)。cis型・trans型N2CPはともに、 金属の高酸化状態を安定化し、実際に、Cu(III)錯体やAg(III)錯体が安定に単離されている。 またN2CPは、水素結合に関与できる環外周部窒素が2カ所あることから、 固体中において1次元の積層構造体を形成するが、その構造はcis型とtrans型とでは 大きく異なっている(Supramol. Chem. 2003)。さらに、cis型N2CPが 一重項酸素発生光増感剤として機能することが判明している。


6-2. テトラピロリルポルフィリン

2,4-位にホルミル基を有するN-アルキルピロールをアリールアルデヒドとして用いた ポルフィリンのone-pot合成法により、4カ所のメゾ位に直結ピロール環を有する ポルフィリンが得られる。(Org. Lett. 2000)


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