Research

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4. 環縮小ポルフィリノイド


4-1. N-混乱コロール・ノロール

混乱ピロール環を有する環収縮型ポルフィリンとして初めて合成されたのが N-混乱コロール(N-Confused Corrole、NCC)である。 NCCには混乱ピロール環の配置の異なる4種類の構造異性体が存在し、 電子状態や光学特性に顕著な違いが観測される。 またNCCの構造異性体であるノロール(Norrole)は C-N連結ビピロールユニットを有する新奇構造をもち、コロールに匹敵する発光強度を示す。 このように窒素原子の位置が一つ異なる化合物間で物性が大きく異なることから 金属錯化した際のさらなる物性変化に興味がもたれる(Angew. Chem. Int. Ed. 2011)。


4-2. コロリンとオキシインドロフィリン

N-混乱ジピロメタンを出発原料とするN2CP合成の際、副生成物として コロールの位置異性体コロリンが得られている。 コロリンはSnCl2によって転位反応を起こし、 芳香族性を有する新規ポルフィリン類縁体、オキシインドロフィリンを与える。 オキシインドロフィリンはFと強く会合することが紫外可視吸収スペクトルの 変化及び蛍光スペクトルの消光から明らかとなっている (JACS 2001)。


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